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エ​メ​ラ​ル​ド​・​グ​リ​ー​ン​区​(​Emerald Green Ward)

by Miya Matsuoka

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2.
胸のポケットに液体金属 ちゃぷちゃぷ入れてるお客さま 鞄の中にアルカリ性の 書類を入れてるお客さま ステンレス製の鳥かごの中で 自由を語るお客さま イヤホンキャップを三日に一度は 落としてしまう お客さま 線路の継ぎ目でよろけてズボンに ビールをこぼしたお客さま 振り込め詐欺の出し子と呼ばれて 活躍中のお客さま 子供の教育どこかでたぶん間違えたお客さま いちにで乗りこんで  さんしで乗りこんで  ごろくで乗りこんで  「まもなく電車 発車いたします」 いちにで押しこんで  さんしで押しこんで  ごろくで押しこんで  「次の駅は しあわせ駅です」 急行急病人線にようこそ 胸のポケットに幼虫を くりくり飼ってるお客さま 鞄の中の猟銃が火花を吹きそうなお客さま 動脈瘤のクリップがきらっと光るお客さま 「あの組織を変えてやる!」ことは やっぱり無理でした お客さま 輪郭を髪の毛で覆い隠しているお客さま 今日も嘘の上塗りだけで給料貰ったお客さま かけこみ乗車で心拍数が急上昇なお客さま いちにで傾いて  さんしで傾いて  ごろくで傾いて  「まもなく電車 発車いたします」 いちにで倒れこんで  さんしで倒れこんで  ごろくで倒れこんで  「次の駅は やすらぎ駅です」 急行急病人線にようこそ 「どう、どうですか、こうですか、風の強い日 自動改札で、これも、あなたが選んだ本の、あなたが選んだ結末、あなたが望んだことでは、ありませんでしたか、ほら、体が変わる、あなたの、体が、変形する、いいかたちに 大脳辺縁系が汁を流す、快感に汁を流す、どうかご注意ください、風の強い日に、お客さま、飛ばされませんように どうぞご注意ください」 いちにで年をとって  さんしで年をとって  ごろくで年をとって  「まもなく電車 発車いたします」 いちにで燃えつきて  さんしで燃えつきて  ごろくで燃えつきて  「次の駅は ふるさと駅です」 いちにでサヨウナラ  さんしでサヨウナラ  ごろくでサヨウナラ  「まもなく電車 発車いたします」 いちにで灰になって  さんしで灰になって  ごろくで灰になって  「次の駅は しあわせ駅です」 環状急病人線にようこそ 
3.
緊急地震速報です 緊急地震速報です 身の回りの安全を確認してください 緊急地震速報です 緊急地震速報です 命を守る行動をとってください 緊急地震速報です 緊急地震速報です 壊れそうな建物からは離れてください 緊急地震速報です 緊急地震速報です 何も荷物は持たないで逃げてください 子供の背丈を刻んだ  あのアパートの柱が震源地です 欄干にかけた父のジャンパーが 落ちた 緊急地震速報の夜に 女性の島は孤立する 震度5弱に揺さぶられ 身体の深い穴の水位があがる 緊急地震速報の夜に  それぞれの島は孤立して 布団一組で流されはじめる 誰か 誰か いませんか 誰か 誰か いませんか 誰か 誰か いませんか 誰か 誰か いませんか 誰か 誰か いませんか  誰か
4.
Earthquake in Tokyo  緊急停止、いたします。 大きく波打つ通勤列車  車掌の硬い声 響く 来ない 来ます 来るとき 来れば とうとうこの日が来てもうた 街にガラスの雨が降り  電車、運転、見合わせてます Earthquake in Tokyo 余震のドラム 鳴り響き 倒れた電柱のあいだを  かいくぐってゆくハクビシン ライフラインの糸、切れて   緊急停止、した街に 見たことないよな暗闇と  見たことないよな星の海  Earthquake in Tokyo  もしもし 聞こえますか? 生き急ぎ過ぎた父さんが  やっと仕事の手を止める ヘリコプターの音の下  助けを求める人はだれ? 見慣れた部屋のタンスの下で  僕を呼んでる人はだれ? Earthquake in Tokyo  もしもし 聞こえますか? 一級河川の鉄橋のうえ  止まったままの通勤列車  来ない 来ます 来るとき 来れば とうとうこの日が来てもうた はやくおうちに帰りたい  電車、運転、見合わせてます  静かだね 静かだね  今日は ガタンゴトン  ガタンゴトン しないんだ 静かだね 静かだね  不思議そうに 鉄橋を見上げて泳ぐ  つがいの水鳥 もういいかい もういいかい 東京の 森の奥に 隠れている  獣たちが もういいかい もういいかい 闇の中 ゆっくりと ゆっくりと  動き出す    Earthquake in Tokyo  緊急停止、した列車から 降りて歩いてくださいと  車掌の硬い声、響く 来ない 来ます 来るとき 来れば とうとうこの日が来てもうた 靴ひもを しっかり結んで  歩き出す 鉄橋の上 Earthquake in Tokyo  もしもし 聞こえますか? 破片の輝き踏みしめて  放射線状に移動するヒト ヘリコプターの音の下  思い出すのは誰の声? はやくおうちに帰りたい  歩き出す 国道の上 Earthquake in Tokyo  もしもし 聞こえますか? 余震の続く国道を  放射線状に移動するケモノ 先のみえない闇のなか  星座の地図を見上げながら はやくお家に帰りたい  歩き出す 歩き出す 前に
5.
天気予報は雨でした なめられっぱなしのなめくじが 繁華街へ向かう あなたの名前は何ですか えっ  名前  何だろう 名前のない なめくじ かたつむりのように背負うものもないなめくじ ガード下で のたうちまわる なめくじの群れを 子どもは 見ては いけないよ 身軽なその身体をカーブさせて 空を見上げる なめくじ ためいきの なめくじ 忸怩たる思いの なめくじ じめじめした場所を好む なめくじ (きらきら きらきら) 綺麗なお花が大好きで お花のそばに近づいては花びらを食べてしまい  お花に嫌われる なめくじ 駆除の対象となる なめくじ だけど 泣いてはいけないよ 涙には塩分が含まれているからね そんななめくじだけど 楽しみがある 今夜は役所で「なめくじフェスティバル」があるんだ 野外でビールが飲み放題なんだ ただ酒 飲むぞと 地下通路を這いずる数百のなめくじ 酔っぱらって傷をなめあう なめくじ 身体のほかには何も持っていないから 共食いするしかない なめくじ 天気予報は雨でした なぜか 塩分の混ざった雨が  降ってきた (ざあざあ ざあざあ) はい こちら警備室です フェス会場のなめくじですが 全滅です 本部 どうぞ ママ この地下通路はどうしてきらきら光っているの? それはね 貧しくても心の綺麗な人たちがたくさん歩いた道だからよ その方たちを祭るために こんど 花壇を作るのよ 一度でいいから キスが したかったでした (English translation) The forecast has called for rain. A snubbed slug heads downtown. What's your name? Oh, I wonder, what is my name? A slug with no name. A slug with nothing to carry, different than a snail. Children shouldn’t watch a bunch of slugs crawling around the ground. A slug who curves its lithe body and looks to the sky. A slug with a sigh. A slug with sullen thoughts. A slug who prefers the damp. (Glitter Glitter) A slug who loves beautiful flowers and is yet hated by flowers, because it approaches too closely and eats them. A slug who is targeted for killing. But a slug mustn't cry. There's so much salt in tears. But I have something to look forward to. There's a slug festival at the Town Hall tonight. I can be outdoors and drink all the beer I want. Wanting free alcohol, hundreds of slugs are crawling through the underpasses. Slugs get drunk and lick each other's wounds. Slugs eat each other since they don't have anything else. The forecast has called for rain. Strangely enough, a salty cloudburst has fallen.     (zap zap zap zap) "Hello, this is security.    All the slugs at the festival were wiped out. Please check with headquarters. " Mama, why are the underpasses so shiny and bright? That’s from many people who were poor but with beautiful hearts who walked that path. The government is planting a flower bed in their honor. I wish I could’ve kissed someone, just once.
6.
ホームセンターから西へ西へと流れる かわいらしいものたちのパレード それは わたしが万引きした文房具たち わたしが万引きした文房具たち 川べりから見上げていた花火大会が   もうすぐ 終わる 市役所通りに バンバラバン 100万発の バンバラバン 昆虫花火が バンバラバン 打ち上げ準備で バンバラバン みんなが集まる バンバラバン アーマーアーミー バンバラバン オッスーメッスー バンバラバン まぐわっちゃったら バンバラバン いなかったことにしてください いなかったことにしてください 昆虫花火の打ち上げだ ウスバカゲロウ株式会社 森の中 虫族館には  美しい虫たちが飾られている 例えば トルコ石に詰められた  スーツのまんまの営業職さん 小川に沿って歩いてゆけば  おもちゃ工場の脇が発射台です いろいろなものを垂れ流していたら  色鮮やかになってしまった その 川 アメジストの魚たちが流れてくるけど  取っちゃダメだよ 取っちゃダメ  だって それは  毒なんだから 市役所通りに バンバラバン 100 万発の バンバラバン 昆虫花火が バンバラバン 打ち上げ準備で バンバラバン みんなが集まる バンバラバン アーマーアーミー バンバラバン オッスーメッスー バンバラバン 増えすぎちゃったら バンバラバン いなかったことにしてください いなかったことにしてください データはみんな消去してください ウスバカゲロウ株式会社 ごめんなさいと言えなかった ごめんなさいと言えなかった こんなわたしが花火になります ウスバカゲロウ株式会社 ごめんなさいと言いたかった ごめんなさいと言いたかった こんなわたしが消えればよかった ウスバカゲロウ株式会社 おんなじ町の 同じとき  となりの県立病院で 祭りの熱気にさらわれて たくさんのひとがいきました おんなじ町の 同じとき  となりの県立病院で 祭りの熱気にさらわれて たくさんのひとがいきました 南無妙法蓮華経 南無妙法蓮華経 南無妙法蓮華経 南無妙法蓮華経 南無妙法蓮華経 南無妙法蓮華経 南無妙 南無妙 南無妙 南無妙 南無妙 南無妙 南無妙 南無妙 南無妙法蓮華経
7.
多摩川サイクリングロードの途中で立ち止まり 空を見上げる 背の高い葦の葉が いっせいに風になびいて こうべを垂れる 人間ひとり 犬いっぴき  たわむれ遊ぶ 蝶々たち 積乱雲のいちばん高いところに届きたくて 世界一高いきざはしを作ろうと  夢見る こんなの乗り物あったらいいな  桜並木を見下ろして 上空すべる路線ボブスレー 初乗り360円 六郷土手から 羽田まで  雑色 糀谷 森が崎 ライバルは 飛行機だ  大田区ゆめのボブスレー こんな乗り物あったらいいな  真夏の海がきれいだな 太陽 横切る 路線ボブスレー  スピード 重力 感じながら  京急蒲田に大森町 平和島から大森海岸 ライバルは 京急だ  大田区ゆめのボブスレー ・・・蝶々の羽に描かれた事業計画書です 営業主体は大田区です  概算事業費は1260億円です 想定輸送人員は4万人 観光資源に区民の足 ことに障害をお持ちの方の貴重な足になることが期待されます・・・ 夢なんです 胡蝶の 夢なんです こんな乗り物あったらいいな  落葉並木をすり抜けて 黄昏 切りとる 路線ボブスレー  ハンドルぎゅっと握りしめ 馬込文士村 池上から 武蔵新田に下丸子  ライバルは たまちゃんバスだ  大田区ゆめのボブスレー こんな乗り物あったらいいな  トナカイのそりと競争だ 雪にも負けない路線ボブスレー  銀のチューブを駆け抜けて 鵜の木 久が原 田園調布  洗足池から大岡山まで  ライバルは東急だ  大田区ゆめのボブスレー
8.
朝日がまぶしい教室にたどり着いたら 机の上にいつもの落書きがある 「お前 きもいから  世のために 早く死になさい」 5人くらいが いつでも僕をいじった みてた みてた みてた みんながみてた  みてた みてた みてた 先生もみてた 休み時間に教室の後ろの席で 5人くらいに囲まれて お金をとられた 「お前 きもいから  世のために 寄付をしなさい」 それから僕のめがねを ねじり壊した みてた みてた みてた みんながみてた みてた みてた みてた 先生もみてた みてた みてた みてた 女子も男子も みてた みてた みてた みんながみてた 「・・・地面 靴のひも 野良猫 上り坂 行く末 並木道 歩道橋 階段 手すり 見下ろす 国道 行き交う テールランプ テールランプ・・・」 みてた みてた みてた いつまでもみてた インターネットに 名前と悪口を書かれ なんでもないと 家族には黙りこくって 初乗り切符で 名も知らぬ駅に出かけて 特急列車を何台も 見送っていた みてた みてた みてた にじむ夕空を みてた みてた みてた 星のまたたきを あれから長い月日が 流れ流れて 心にはまだ あの日の落書きがある 「お前 きもいから    世のために 早く死になさい」 悪いけど僕は生きのびて歌をうたってる みてる みてる みてる みんなをみてる みてる みてる みてる 今でもみてる みてる みてる みてる みんなをみてる みてる みてる みてる 今でもみてる
9.
ホームのドアと列車のあいだ 折りたたまれた 駅員たち 「電車 到着しております 危ないですから 下がってください」 しなやかな腕を いま 伸ばし ちぢむ のびる のびる ちぢむ  しめて あけて あけて しめて そしてひとつの作業が終わる 「発車いたします ホームのドアから離れて下さい」 ホームのドアと列車のあいだ 折りたたまれた 駅員たち 始発から終電まで ちぢむ のびる のびる ちぢむ  しめて あけて あけて しめて 始発から終電まで 休みなし 駅員たちは はたらきものだ ホームのドアと列車のあいだ お客様 その空間に留まっていてはいけません その空間を見つめてもいけません 境目に立つものは切り裂かれる だからあなたはどちらかに行かなくてはならない はやく はやく・・・ 駅員の声はうずまく風となり 細い隙間でくるくると廻るのは 半分 ちぎれた 落ち葉たち 早い西陽に 照らされて ホームのドアと列車のあいだ だけど何かがそこにいる ホームのドアと列車のあいだの その奥に続く砂利の奥の 深い谷間に誘い込まれた白い何かが   冬を待ちながら 駅員たちと戯れている ホームのドアと列車のあいだ 折りたたまれた 駅員たち 「電車 到着しております 危ないですから 下がってください」 しなやかな腕を いま 伸ばし ちぢむ のびる のびる ちぢむ  しめて あけて あけて しめて そして また ひとつの作業が終わる 「発車いたします ホームのドアから 離れて下さい」
10.
あなたはあなたは僕の穴を右手の指で広げて ボルトをボルトをぶっといボルトを無理矢理ねじ込んだ あれからあれから僕の胴体はふたつに割れたまま あれからあれから左半分だけで生きているみたい 長い針と 短い針が 刺さった  つまさきのかけら 抜け落ちた髪  足踏みのミシンと糸くずの部屋に ようこそ 左手のなかのエルドラド   夢みる夜はトイボックス 手首 あしくび 繭の糸  締め付けられるまま 左手のなかのオルゴール  金属音のアルペジオ 動力 止まる その前に 父さんもっと強く巻いて 父さんもっと強く巻いて 父さんもっと強く巻いて こわれるくらいで いいからね 1本2本とたきぎをくべれば暖炉に火花散る 父さんどうして燃えやすい素材で僕を作ったの 氷点下の日は背中のひび割れが少し痛むから 父さんどうして割れやすい素材で僕を作ったの 長い針と 短い針が 廻った 捨てられてもいい 燃やされてもいい  なくなってもいい  いつもそう思っています 左手のなかのエルドラド   湾岸沿い ネオテニーランド 育つことのできなかった 幼虫園児のまま 左手のなかのホライズン  ここには来ないデイブレイク 銀のボルトを突っ込んで 父さんの軸で廻されて 父さんの軸で廻されて 父さんの軸で廻されて  こわれるくらいで いいからね 左手のなかのエルドラド 夢みる夜はトイボックス 手首 あしくび 繭の糸  締め付けられるまま 左手のなかのダイナマイト 僕を守ってくれるジュエル 舌を絡めてキスをして 父さんと一緒にいきます 父さんと一緒にいきます 父さんと一緒にいきます こわれるくらいで いいからね ばらばらになって こなごなになって もとの形を 留めてなくても 父さんのそばにいるからね  いつも 僕が いるからね 父さんのそばにいるからね  僕は いるからね
11.
裏山の砂利道で転んでしまったの 夕焼け色の ひざのすりむけ 天狗の少年に出会った わたしの膝小僧を ずっと ずっと 舐め続けていた・・・ ・・・ごめんなさい もうしません・・・ 漂白剤 石ころ ろうそく 鎖 立方体  犬小屋 山なみ 見つかった 痛かった  叩かれた 叩かれた 以下同文・・・ ・・・もう しません これできっと 大丈夫ね これできっと 元通り これできっと 真っ白になあれ きれい きれい きたない きれい きれい きれい きたない きれい きれい きれい きたない きたない 悪い娘を洗濯機 悪い娘は洗濯機 リプレイボタンで もう一回 ぬりえの輪郭 もう一回 ふくらみなんて もう一回   はみ出しちゃったら もう一回 リプレイボタンで もう一回  着せ替え人形 もう一回 ふくらみなんて もう一回  はみ出しちゃったら もう一回 リプレイボタンで もう一回  大きな模造紙 もう一回 ぐるぐる包んで もう一回  差し上げたいから もう一回 リプレイボタンで もう一回  まどろみの渦へ もう一回 泣いてる顔を 笑顔に変える  眠りの魔法を もう一回 黄昏には いつも 境目がない ヒガンバナの丘の上を 炎が走っていった お母さんが ぜんぶ 綺麗にしてあげますからね リプレイボタンで もう一回  洗剤使って もう一回 ぐるぐる洗えば もう一回  使い物になる もう一回 リプレイボタンで もう一回  まどろみの渦へ もう一回 泣いてる顔を 笑顔に変える  眠りの魔法を もう一回 この丘から見える夕焼け雲が  とても好きだった 私は 歩くだけで泥だらけになってしまうけれど  私じゃないものが私に付着して 私が汚れるのが  とても好きだった お母さんが ぜんぶ 綺麗にしてあげますからね これできっと 大丈夫ね   これできっと 元通り これできっと 真っ白に これできっと 真っ白に これできっと 真っ白になあれ きらい きらい きたない きらい きらい きらい きたない きらい きらい きらい きたない きたない 悪い娘を洗濯機 悪い娘は洗濯機 もっともっと真っ白に  もっともっと真っ白に もっともっと真っ白に なあれ きれい きれい きたない きれい きれい きれい きたない きれい きれい きれい きたない きれい きれい きれい きたない きれい きれい きれい きたない きれい きれい きれい きたない きたない きれい きたない きたない きたない きたない きたない きたない きたない きたない
12.
その昔 ここは海だった  だから 溺れるひとがいる 京浜東北線が日付を超えて蒲田へと向かう 蒲田駅が終点の電車のことを 駅員たちは 「かまどん」と 呼んでいるんだって 25時08分着 臭い大人のゆりかご 夢でなくした革靴 とりあえず終点ですよ  ゴミのような お客様 電車は翼がないから 多摩川から先へ飛べない ほうきと ちりとりを持って 駅員たちが 掃除する  ゴミのような お客様 ・・・四角いお母さんみたいだ いつも優しい京浜東北線の かまどん・・・ 蒲田原子力発電所が夜の灯りをお届けします アルカホリズム・ネオテニー  裸足のあなたが道に迷わないように ・・・寄せては返す波打ち際で 溺れた人を優しく揺らす京浜東北線の かまどん・・・ 米軍蒲田基地が夜の安全をお届けします 夢でなくした革靴を 探しに行こうよ 今日も死にませんでしたか 今日も死にませんでしたよ 明日も会いそうですね とりあえず終点ですよ  ゴミのような お客様 25時08分着 臭い大人のゆりかご 行き場をなくした星が 灯りを落とした蒲田駅の  暗闇のなかに 今夜 眠るための ボートを 見つけた

about

The fifth album by poetry artist Miya Matsuoka. With unhurried vocals, she talks about a world filled with danger.

credits

released December 27, 2020

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